国際会計基準の「IFRS」ってなんですか?日本基準との違いを教えてください
決算書を見ていたら「IFRS」という単語が出てきました。IFRSってなんですか?
IFRSとは「International Financial Reporting Standards」の略で日本語に訳すと国際財務報告基準という意味になります。
IFRSは世界共通の会計ルールです
投資家にはおなじみの決算書ですが、財務諸表を作成する際のルールは、日本なら「日本基準」、米国なら「米国基準」というように、国ごとにルールが違います。
しかし、国ごとに会計のルールが違うと、他国の企業との比較がむずかしくなるデメリットが生じますよね。そこで、世界中で共通の会計ルールとするために作られた会計基準が「IFRS」です。
つまり、IFRSを導入すると自国と他国の業績を比較しやすくなるんです!
スミレ
IFRSは、とくに世界で活躍するグローバル企業や、自社を海外の投資家にアピールして資金調達をおこないたい企業にとって、メリットの大きい会計基準です。
実際、日本でも大企業を中心に、会計基準を日本基準からIFRSへ変更する企業が増えています。
スミレ
さて冒頭のとおり、IFRSと日本基準はルールが違うということをお伝えしました。そのルールの違いで代表的なものをご紹介していきます。
IFRSと日本基準では「のれん」の償却方法が違う
IFRSと日本基準での代表的な違いはのれんの償却方法です。
企業を買収した際に、買収先の純資産よりも買収金額が高かった場合、その差額が「のれん」として貸借対照表に計上されます。
日本基準では、20年以内の期間で毎年のれんを償却するきまりになっています。この際に発生する費用は「のれん償却額」として損益計算書の販管費に計上されるため、その分営業利益が減ってしまいます。
一方で、IFRSであればのれんの定期償却が不要となるので、企業の買収で利益が圧迫されることはありません。
ただし、買収した会社の業績が急激に悪化した場合などに一気に減損しなければならず、一時的に営業利益が大きく減るリスクがあります。
見かけ上の数字に注意しましょう!
このように会計基準が変わると、企業業績に変化がなくても利益が変わることがあるので、見かけ上の数字にまどわされないように注意しましょう!
スミレ
ひとつ豆知識です。ここまで説明してきたIFRSですが、適用(予定含む)している企業数は、おおよそ270社程度で、実は全上場企業のうち「10%未満」という少数に留まっています。これは、IFRSの会計処理は専門性が高いことや、それにあわせてコストも高くなることが理由として挙げられるようです。
こちらのお悩み相談記事も人気です
自由検索
ほかのお悩みを検索できます!
お悩み相談室 室長のプロフィール
スミレ(投資ブロガー)
20代の主婦投資家です。株式投資歴は8年を超えました!「株式投資の育て方」という投資ブログで、株式投資の考え方や注意点などを、初心者の人にもわかりやすく解説しています。
スミレ
読み方は人によってさまざまですが、多くは「イファース」や「アイファース」と呼ばれます。