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日経平均が下がれば、株価が上がる銘柄があると聞いたのですが、それって株なんですか?

日経平均が下がれば、株価が上がる銘柄があると聞きましたが、それって株なんですか?

いいえ。日経平均が下がると株価が上がる商品は、株ではなく「インバース型と呼ばれるETF(上場投資信託)の一種」になります。

インバース型のETFは、対象の指数が「上がれば下がる」、「下がれば上がる」というように逆方向に変動します。インバース型ETFには、以下のような銘柄があります。

インバース型ETFの例
銘柄例の紹介と特徴
日経平均インバース・インデックス連動型上場投信(1571)
日経平均とは逆の動きをするETF
日経平均が「2%下がると2%上がる」
日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)
日経平均とは2倍逆の動きをするETF
日経平均が「2%下がると4%上がる」

そのほか、日経平均が下がったときに儲ける方法として「日経平均先物の空売り」もありますが、専用口座の開設や先物取引のルールを覚える必要があるので投資初心者にはハードルが高いのが難点です。

その点、インバース型ETFは、特別な知識不要で株と同じように売買できることがメリットとなっています。

ETFの場合、正確には「株価」とは呼ばない

ETFの場合、株価とは呼ばずに「取引所価格」や「基準価額」などと呼びます。取引所価格と基準価額の説明は割愛しますが、呼び方が違うことだけ覚えておいてください。

インバース型ETFの注意点

インバース型ETFに投資するときに、注意しておきたいことを2つご紹介します。

①信託報酬がかかる

ETFに投資する場合には、信託報酬と呼ばれる管理コストがかかります。

先ほど紹介した日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)の場合、年間0.80%の手数料がかかります。

投資金額が大きい人にとっては、結構な金額になるので覚えておきましょう。

スミレ

②中長期で投資すると減価する

株式市場では、一方方向に上がり続ける(下がり続ける)ことはなく、上げ下げをくり返しながら相場が形成されます。

この上げ下げがくり返されることで複利の効果がはたらくため、もとの指数から乖離していく「減価」という現象が発生します。

減価のイメージ

スミレ

例として、2016年から現在までの日経平均と、日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)の変動を比較してみましょう。

ざっくりですが「16,000円(2016年)」だった日経平均は「28,000円(2022年)」と、1.75倍ほど上がっています。

日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)は、日経平均の2倍の逆変動なので、1.75×2倍=「3.5倍 + 信託報酬分の下げ幅」となりそうですよね。

ところが、取引所価格を確認してみると「3,000円(2016年)」 → 「450円(2022年)」と6倍以上も下がっているのです。

ぜんぜん違っていてビックリしますよね…。これが減価による影響なんです。

スミレ

このように、中長期で持つと資産価値が減るリスクがあるので、注意が必要です。

インバース型ETFは短期投資におすすめ!

インバース型のETFは手軽に売買できるので、短期的なリスクヘッジ目的としては便利な投資商品です。

相場の急落局面などで保有している株式のリスクが高まった際に、インバース系のETFを買っておけば資産が減るリスクを抑えることができます。

しかしその一方で「信託報酬のコストがかかる」+「減価が起こる」ことを踏まえると、長期保有で利益を出すのはむずかしいといえます。

スミレ

そこで、インバース型のETFを利用する場合には、数日以内に決済することをおすすめします。

お悩み相談室 室長のプロフィール

スミレ(投資ブロガー)

20代の主婦投資家です。株式投資歴は8年を超えました!「株式投資の育て方」という投資ブログで、株式投資の考え方や注意点などを、初心者の人にもわかりやすく解説しています。

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